少林寺拳法の六つの特徴

 

①拳禅一如 (身体と心を共に鍛える)

「拳」は動功であり肉体を意味し、「禅」は静功であ精神を表しています。また、身体と心は別々のものではなく、密接に関係し合っているため、少林寺拳法の修行は、身体と心を片寄らせずに行い、自己を見つめ自己にある可能性を掘り起こす心身一如の修養法を行います。

 

②力愛不二 (少林寺拳法の行動原理)

誰もが幸せに生活していくには、愛と慈悲ばかりではなく、理智と力の両方が必要という意味です。「力の伴わざる正義は無力なり、正義の伴わざる力は暴力なり」という言葉があります。力と愛、理智と慈悲を調和させることを行動規範としています。

 

③守主攻従 (技と人格向上を目指すあり方)

少林寺拳法は、受けから始まり、完全に防いだ後反撃するという仕組みになっています。暴力から身を守る「破邪の拳」に基づき不敗の体勢を確立し、「後先必勝の機」という技術的な理由もあります。

 

④不殺活人 (相手を倒さず、活かす法)

少林寺拳法の技術は、人を殺傷するためのものではなく、自分を護り、人を援ける人づくりの行であることから「活人拳」とされています。また、技の中には強烈な痛みで殺意を失わせる効果的な技術や各種の理法に基づく合理的な術、技や力の運用により少ない力で大きな効果を得られる技術があります。

 

⑤剛柔一体 (さまざまな攻撃に対処)

剛法とは突き、蹴り、打ちなどをいい、柔法とは守法、抜き、逆技をいいます。剛法と柔法はそれぞれの要素を発揮しつつ、補足し合って効果を生む構成になっており、さまざまな攻撃に対処できる要素となっています。

 

⑥組手主体 (共に成長する修練システム)

少林寺拳法の修練は、二人一組で行うことを原則とし、自分だけが強くなるのではなく、お互いが協力し合って仲間と共に強くなろうという協調性を養います。二人で一緒に修練することが、技術の上達と人格の向上に繋がります。